プレート熱交換器の洗浄・メンテナンス方法|スケール除去から再利用まで解説
プレート熱交換器は、薄い金属製のプレートを介して2つの流体の熱を移動させる設備で、工場設備をはじめ、冷却・加熱工程や空調設備など幅広い用途で使用されています。
コンパクトながら高い熱交換効率を得られる一方、長期間使用するとプレート表面にスケールや錆、油分などの汚れが付着し、熱交換効率が徐々に低下することがあります。
「以前より冷えにくくなった」
「設定温度になるまで時間がかかる」
「熱交換器の圧力損失が大きくなった」
このような症状が見られる場合、プレートに付着した汚れが原因となっている可能性があります。
本記事では、プレート熱交換器に洗浄が必要な理由から、スケールなどの汚れを除去する方法、適切なメンテナンス、プレートを洗浄して再利用する方法まで解説します。
光伸産業では、プレート熱交換器の洗浄だけでなく、現地でのプレートの取り外し、回収、洗浄まで一貫して対応することが可能です。 熱交換器のメンテナンスをご検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

プレート熱交換器とは?
プレート熱交換器とは、波形などに加工された薄い金属製プレートを複数枚重ね、そのプレートを介して高温側と低温側の流体を交互に流すことで熱交換を行う装置です。
プレートの表面積を大きく確保できるため、比較的コンパクトな設備でも高い熱交換効率を得られることが特徴です。
工場では、例えば次のような用途で使用されています。
・生産設備の冷却・加熱
・チラー・冷却水設備
・ボイラー・温水設備
・空調設備
・食品製造設備
・化学プラント
・各種製造ラインの温度管理
プレート熱交換器は効率よく熱を移動できる一方、プレート同士の流路が狭いため、使用環境によってはスケールや異物が蓄積しやすくなります。
そのため、性能を維持するためには定期的な洗浄・メンテナンスが重要です。
プレート熱交換器に洗浄が必要な理由
プレート熱交換器を長期間使用していると、流体に含まれる成分がプレート表面に付着していきます。
代表的な汚れとして、次のようなものがあります。
・カルシウムなどによるスケール
・水垢・錆
・油分
・グリス
・有機物
・その他の付着物・堆積物
汚れが付着しても、熱交換器自体はそのまま運転できるケースがあります。そのため、外観から異常が分かりにくく、性能が徐々に低下していることに気づきにくい点には注意が必要です。
汚れが熱の移動を妨げる
熱交換器では、プレートを介して一方の流体からもう一方の流体へ熱を伝えています。
しかしプレート表面にスケールなどの汚れが付着すると、
流体 → 汚れ → プレート → 汚れ → 流体
という状態になります。
スケールなどの付着物が熱の伝達を妨げる層となるため、本来の熱交換性能を発揮できなくなります。
その結果、
・冷却能力が低下する
・加熱に時間がかかる
・設定温度まで到達しにくくなる
といった問題につながります。
流路が狭くなり圧力損失が増加する
プレート熱交換器は、複数のプレート間に形成された狭い流路に流体を流しています。
そのため、スケールや異物が大量に付着すると流路そのものが狭くなることがあります。
流路が狭くなると、
汚れの蓄積
↓
流路の狭窄
↓
圧力損失の増加
↓
流量の低下
↓
熱交換性能の低下
という悪循環につながる可能性があります。
プレート熱交換器を洗浄しないとどうなる?
汚れを放置したまま使用を続けると、単に「熱交換効率が少し悪くなる」という問題だけでは済まない場合があります。
熱交換効率が低下する
最も代表的な問題が、熱交換効率の低下です。
プレート表面をスケールなどが覆うことで熱が伝わりにくくなり、設備本来の冷却能力・加熱能力を発揮できなくなります。
エネルギー消費が増加する
熱交換性能が低下すると、必要な温度まで冷却・加熱するために設備を長時間運転しなければならなくなる可能性があります。
その結果、ポンプやチラー、ボイラーなど周辺設備の負荷が増加し、エネルギーコストの増加につながることがあります。
生産設備の能力低下につながる
製造ラインの冷却工程や加熱工程に熱交換器を使用している場合、熱交換能力の低下が生産タクトに直接影響することもあります。
例えば、これまで10分で冷却できていたものに15分必要になれば、設備全体の生産能力にも影響します。
流路閉塞などのトラブルにつながる
スケールなどの付着が進行すると、流路がさらに狭くなり、場合によっては閉塞や設備トラブルにつながる可能性もあります。
そのため、完全に性能が低下してから対応するのではなく、適切なタイミングで洗浄・メンテナンスを行うことが重要です。
プレート熱交換器の主な洗浄方法
プレート熱交換器の洗浄方法にはいくつかの種類があります。
重要なのは、「どの方法が最も強力か」ではなく、プレートの材質や汚れの種類、設備の状態に合わせて適切な洗浄方法を選択することです。
ここでは代表的な洗浄方法をご紹介します。
1.高圧水などによる物理洗浄
プレートを取り外し、水圧などを利用して表面の汚れを除去する方法です。
比較的剥離しやすい、泥、異物、軽度の付着物などの除去に適しています。
一方、プレート表面に強固に固着したスケールや錆などは、物理洗浄だけでは十分に除去できない場合があります。
2.化学洗浄
薬品を使用し、付着物を化学的に溶解・除去する方法です。
熱交換器に付着したスケールや錆など、物理洗浄だけでは除去しにくい汚れにも適用できます。
光伸産業では、熱交換器のプレートや配管内部に付着したスケール等を化学洗浄によって除去し、熱効率の改善・回復を図る熱交換器洗浄サービスを提供しており、分解洗浄と非分解の循環洗浄の両方に対応しています。
3.浸漬洗浄・浸漬酸洗い
熱交換器を分解してプレートを取り外し、洗浄液にプレートを浸漬する方法です。
プレート全体を薬液に浸すため、複雑な凹凸部分にも薬液を行き渡らせやすく、スケール、錆、固着した汚れなどの除去に適しています。
プレートそのものに問題がなければ、洗浄後に再利用することも可能です。
4.内部循環洗浄
設備を分解せず、熱交換器内部に洗浄液を循環させて汚れを除去する方法です。
設備の構造や設置状況によっては、熱交換器を取り外すことが難しいケースもあります。
そのような場合には、設備を大きく分解することなく内部を洗浄できる循環洗浄が有効です。
光伸産業では、プレート式熱交換器の分解洗浄だけでなく、非分解での循環洗浄にも対応しています。
プレート熱交換器の洗浄方法は「汚れ」と「材質」で選ぶ
熱交換器の洗浄では、
「汚れがひどいから強い薬品を使用する」
という単純な判断はできません。
使用する薬品や洗浄条件がプレートの材質に適していなければ、汚れだけでなく母材そのものを傷めてしまう可能性があるためです。
洗浄方法を検討する際には、例えば次のような条件を確認する必要があります。
・プレートの材質
・汚れの種類
・スケールの成分
・汚れの付着量
・使用している流体
・腐食の有無
・プレートの状態
・洗浄後の使用条件
重要なのは、単に「汚れを落とすこと」だけではありません。
プレートへの影響をできる限り抑えながら、必要な汚れを除去できる条件を設定することが、熱交換器洗浄における重要なポイントです。
プレート熱交換器は交換せず「洗浄・再利用」できる場合がある
熱交換器の性能が低下すると、
「プレートを新品に交換しなければならないのではないか」
と考える方も多いかもしれません。
しかし、性能低下の原因がスケールや錆などの付着物であり、プレート自体に著しい腐食や損傷がなければ、洗浄によって再利用できる可能性があります。
基本的には、
熱交換器を停止
↓
プレートを取り外す
↓
プレートを回収
↓
状態・汚れを確認
↓
洗浄
↓
汚れを除去
↓
プレートを再利用
という流れになります。
新品への交換ではなく既存プレートを再利用できれば、部品交換コストを抑えられる可能性があります。
また、設備の廃棄物削減や設備寿命の延長という観点からも、洗浄による再生は有効な選択肢です。
【洗浄事例】SUS製熱交換器プレートの浸漬酸洗い

光伸産業では、実際にSUS製熱交換器プレートの浸漬酸洗いを行っています。熱交換器のプレートには、使用を続けることで汚れが付着します。この汚れを放置すると、熱交換率の低下につながります。
そこで、熱交換器からプレートを取り外し、プレート部分を浸漬酸洗いすることで付着した汚れを除去しました。洗浄によってプレートの再利用が可能となり、新品交換ではなく既存部品を活用することができます。
実際の施工事例については、下記をご覧ください。
プレート熱交換器の洗浄・メンテナンスなら光伸産業へ
熱交換器の洗浄周期は、設備の使用環境や流体、稼働時間などによって異なるため、一律に「○年に1回」と決めることはできません。
一方、次のような変化が見られる場合は、洗浄・メンテナンスを検討する一つの目安となります。
・以前より熱交換効率が低下している
・冷却・加熱に時間がかかるようになった
・出入口の温度差が以前と異なる
・圧力損失が増加している
・流量が低下している
・エネルギー消費量が増えている
・長期間プレートを洗浄していない
・定期メンテナンスの時期を迎えている
プレート熱交換器は、スケールや錆などの汚れが付着することで徐々に熱交換効率が低下します。汚れを放置すると、熱交換性能だけでなく、エネルギーコストや生産設備の稼働にも影響を与える可能性があるため、完全に性能が低下してからではなく、設備の変化を確認しながら適切なタイミングで洗浄することが重要です。
また、熱交換器の性能が低下した場合でも、必ずしもプレートを新品へ交換する必要があるとは限りません。プレート自体に著しい腐食や損傷がなければ、
取り外し → 回収 → 洗浄 → 再利用
によって、既存のプレートを再び使用できる可能性があります。
光伸産業では、プレート熱交換器の洗浄だけでなく、現地でのプレートの着脱作業、回収作業から洗浄まで一貫して対応可能です。
「プレートを洗浄したいが、自社では取り外しや運搬が難しい」といった場合でも、まとめてご相談いただけます。
また、プレート式熱交換器だけでなく、シェルアンドチューブ式(多管式)熱交換器についても洗浄・メンテナンスに対応しています。
設備の構造や汚れの状態に応じて、
・分解洗浄
・浸漬洗浄
・化学洗浄
・内部循環洗浄
など、適切な洗浄方法をご提案します。
・熱交換器の効きが悪くなってきた
・プレートにスケールや錆が付着してい
・新品交換の前に洗浄・再利用できるか確認したい
・自社ではプレートの取り外しが難しい
・取り外し・回収から洗浄までまとめて依頼したい
・この汚れを化学洗浄で除去できるか相談したい
このようなお悩みがございましたら、プレート熱交換器の洗浄・メンテナンスについてお気軽に光伸産業までご相談ください。






